2011年2月22日火曜日

Japan - Tin Drum

Tin Drum

ジャケットどおりサウンドも中国一色に染まったデヴィッド・シルビアン率いるJapanのラスト・アルバム。
世界一のアジアン・コレクターと想えてしまうほどデヴィッドは我々の想像を越えた世界を描いている。
坂本龍一とよく連動するデヴィッド・シルビアン。
「孤独な影」にあった陰鬱でダークネスな世界観は何処へやら。
しかし病的グルーヴ、独特のナルシシズムは毎回違った形で表現してくるところが凄い。
絶妙な魔力、それはどのようにして生まれるのだろうか。
卓越した感性、いやそれは変人/偉人が持つ領域だろう。
そのフラットなボキャブラリーが80年代初期に日本でアイドルとして定義されていたことに驚嘆してしまう。
庶民化ポップとは到底結びつかない不合理さと、この難癖のある粘り気こそオリジナリティの原点とは恐れ入った。
サウンドの屋台骨、化け物テクニシャンことミックカーン氏が大人しく観えるくらいデヴィッドの支配力が圧倒した傑作集だった。

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