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2011年1月27日木曜日

Cocco - ブーゲンビリア

ブーゲンビリア

危険で個性的なアーティストというイメージが強かったが、至って大人しかった。
彼女が抱く陰鬱な世界を、ただポップ・ロックという枠の中で表現しているだけなのだ。
一部の層からの付加価値が彼女を増大なものにしてしまった。
悲壮で破壊的な歌詞を売りにしているが、ロックで見れば当たり前の表現法なのだ。
ただ、それら負の感情を全面に出しきり感情移入しているところが、彼女の魅力なのだろう。
長所は静と動を絶妙に使い分けることによって臨場感が増し、ダークな雰囲気のバランスが保たれていた。
しかし全体通して聴いてみると、一般から指示される要因であるようなCoccoワールドで情熱的なものは特に感じられなかった。

2011年1月26日水曜日

鬼束ちひろ - ~THE ULTIMATE COLLECTION~

the ultimate collection

ジャズを取っ払った暗いジュリア・フォーダムを想わせる。
世界観を広めようと様々な視点からアプローチしながらも、鬼束ちひろ独特の悲しく葛藤して苦しんだ解答が描かれている。
ただそれら独自の理論が時折、使い回しして巧く噛み合わず、引き出しの少なさを露呈している。
しかし言葉とメロディの陰鬱さは力強いメッセージとして聴き手に伝わってくる。
シングルのみでは彼女を判断できなかった。
個人的には「シャイン」が良かったと思う。
ネタ切れしている昨今の彼女だが、本作で時折見せたような泥臭く、危険で大人な香りを放つ瞬間は魅力を感じる。

2011年1月24日月曜日

安室奈美恵 - PAST<FUTURE

PAST<FUTURE

ブラック系R&Bから少々イメチェンした印象だった。
安室奈美恵という一つのチームが巧く循環しているように思えた。
シンプルな構成にブリッジはヒップ・ホップで味付けしている。
表面はコンピュータとデジタルの攻防で、サビは濃厚でキャッチーなメロディを乗せて来る。
これまでの安室奈美恵とは少々違ったR&Bポップであるため賛否両論作となっているが、これは正しく進化だと思う。
意外と基本路線は継承しているし、彼女の個性的な歌唱力があるからこそ活かされる楽曲だと思う。
シングル・カットもリズミカルで耳障り良かった。

いきものがかり - ハジマリノウタ

ハジマリノウタ【初回生産限定盤】

縦ノリからバラードまで幅広いサブ・ポップが描かれている。
昭和を漂わす哀愁なメロディと軽快なフットワークが、このバンドのセールス・ポイントなのだろう。
個人的にはロック調な『じょいふる』がお勧め。
一見、若年層向けに思えるが、聴けば聴くほど奥深い人情ポップスのような世界が見えてくる。
最近のアーティストとは一味違った個性さを放っている。
中々の良作だったと思う。

2011年1月21日金曜日

BONNIE PINK - Even So

Even So

佳作揃いであり、英語で歌っている瞬間は特に躍動している。
彼女は日本という狭い領域ではなく、世界で勝負できるポテンシャルを持っている。
個人的にはパワーポップな『5 more minutes』がお勧め。
初期の攻撃性とミドル調な楽曲がバランス良く融合していた。
コンピュータに逃避する勘違い売れ線女王達とは違い、幅広い視野からアプローチできる能力を持っている。
悲壮感だったりハッピーだったり、様々な感情や表情などを感じた。

2011年1月19日水曜日

浜崎あゆみ - Rock'n'Roll Circus

Rock

タイトルからしてレニー・クラヴィッツ路線かと思いつつ、ヘヴィなギターで肉付けし、大黒摩季色に染めさせた程度で、後はほぼお決まりのパターンだった。
しかし「BALLAD」のような古き良き哀愁帯びた楽曲は意外と魅力的だった。
トータルで聴くと整合性無くネタ切れを露呈していたが、実験的に攻め、殻を破ろうとする姿勢が一部だけだが垣間見ることができたと思う。
それでもクオリティの低さは否めない。

2011年1月17日月曜日

コブクロ - ALL SINGLES BEST (通常盤)

ALL SINGLES BEST (通常盤)

哀愁ソングのオンパレードだった。
泥臭く這い上がって来ただけあって、シングルの寄せ集めにしては割と聴ける。
臨場感を高めるように情熱的に歌い、サビではハモリを巧く駆使させている。
シリアスであったり、ハッピーであったり、メロディと言葉が見事に共有し合いメッセージとして奏でられている。
個人的には8割は無理な部類だが、所々見せ場があったのが収穫だった。
ありきたりのメローと歌詞ではあったが、未だに邦楽市場の第一線で残っているのは頷ける。
後期ビートルズと90年代ミスチルが合わさった印象。

Superfly - Dancing On The Fire

Dancing On The Fire(初回限定盤)
ノリノリで佳作級の楽曲が詰まっている。
それに見合った歌唱力を披露してくれる。
悪くはないのだが、長所も見えてこない。
可もなく不可もなく彼女の個性と、それに見合った楽曲が普遍的に融合している。
どうしても本家(ジャニス)と比較してしまうだけに、綺麗に収められた彼女の表現からはポップロックな優等生シンガーと云った印象だ。
個人的には感情をもっと全面に押し出してもらいたいと思う。

2011年1月16日日曜日

椎名林檎 - 加爾基 精液 栗ノ花 (CCCD)

加爾基 精液 栗ノ花

ピカソの世界でも求めているのだろうか。
歪み、尖り、ダーティといったロック3か条と云わんばかりの意図的なソウルフルソング集だった。
常に新しい境地を追い求めようと、ダークで寂しげな大人の世界と社会に対する反骨精神との対比が彼女の心の中身をダイレクトに描写している感じだ。
基盤は歌謡調とジャズで、アティチュードはロックではあるが、相変わらず味気ない楽曲群が並んでいる寂れた商店街に過ぎなかった。
表現者としては突出しているとは思うが、肝心のポイントである「曲」が駄作ばかりで、一個人のシンガーソングライターとしての限界を示唆している。

2010年9月1日水曜日

安室奈美恵 - New Look

安室奈美恵を自分の音楽サイトで聴いていた。
やっぱ全然衰えてないよね。

ソングライターじゃないんだけど、不思議と彼女が歌う楽曲には素晴らしいものがある。
それは歌い手としてのクオリティも然ることながら、幅広い表現力もあるのだと思う。
勿論、売れたシングル曲ではなく、それ以外の曲が好きだ。

Maxと組んでいたデビュー時はストレートだったが、それが逆にソリッドで格好良かった。
でも当時は認めたくなかった。
Doubleが本格的なR&Bの中に日本語、英語を混ぜ自然色で表現していたのに対して、当時の安室のR&Bは何処かぎこちなかった。
本来であればDoubleがブレイクしても良かったのだが、98年のあの当時、英語と入り混じりする本格R&Bがリスナーの耳に馴染めなかったのかもしれない。

DoubleはSACHIKO在籍時のときが一番輝いていた。
残念ながらSACHIKOはクモ膜下出血で25歳という若さで亡くなっている。
MTVでTLCやBlack IvoryやDoubleをよく視聴していた。
SACHIKOの訃報を聴いたときはショックだった。

あの頃のDoubleと、ここ数年の安室がようやくリンクし、それが安室ブランドとしてオリコンに戻ってきている。
やはり巧い歌い手がいるからこそ、幅広くて質の良い楽曲と噛み合うのだろう。
昭和歌謡が正にそうだったと思う。

宇多田ヒカルは1stのみで海外R&Bを大分削って日本色にして、ソレが流行となった。
しかし彼女が持つアイデンティティは狭すぎた為、2nd以降はキャパが追いつかず、それ以降もネタ切れで苦しんでいた。
これはソングライターの限界を示唆しているのだ。
影響を受け、自分の中でパズルの如く何パターンかのコードロジックができる。
しかしその容量はほんの僅かなため長続きはしない。

浜崎あゆみは流行を求め過ぎ手段を選ばず撃沈してしまった。
倖田來未はヒール・コアぽい路線でいけば良かったのだが、如何せんこの3人は実力不足だったと思う。
それ故に楽曲のレパートリーが狭められ、80年代のニューウェイヴ同様にテクノ頼りの如くコンピュータを強引に詰め込み過ぎた。

安室奈美恵には優秀なブレーンとアルバムごとにコンセプトの色を巧く変える敏腕プロデューサが居るのだろう。
それに対して安室が自然体で表現できるところが凄いと思う。
故にチームとして機能しているように思える。

宇多田はこれまで個人プレイで乗り切れたものの、ギネスを飾った1stで過大評価されプレッシャーで押し潰された感が否めない。
浜崎、倖田は歌い手としての技量が乏しく個性で走ってきたが最早限界リミッターは切れている。
しかもエイベックスの株を左右するアーティストなので彼女達の色に染めればいいのだが、日本の最大レーベルということもあり、流行を肉付けし過ぎていると思う。

「New Look」を聴いていたのだが素晴らしい。
The Supremesの「Baby Love」(1964年)のリメイクらしいが、俺はBeatlesの「Getting Better」に近いと思った。
ベースラインとリズムが類似しているし、ボーカルラインのフレージングや韻踏みも巧い具合に似せているように思える。
意図的にそういう風に作られている感がして逆に好感が持てる。

ただ一般層が抱く安室の評価は「綺麗」だの「ファッションセンスが良い」だの、音楽以外でのフューチャーのされ方が多いが、俺はミュージックとしての安室奈美恵を評価している。
勿論、苦しんでいたときは「酷い」と思ったときもあったけどね。

安室奈美恵 - New Look