ブラインド・ガーディアンの1995年発表の5作目のアルバム「Imaginations From the Other Side」
いきなり戦闘態勢から猛突進してくるパワー・メタル。
血管がブチ切れそうになりそうな怒りと勢いの中で蠢く爽快感が意外とはまった傑作集だった。
オーケストラとの壮絶グルーヴの嵐。
刺激に餓えている方は、この毒牙交響楽団に犯されると良い。
切なさは静で、怒りは動と分かり易い展開が良かったと思う。
ラウド系とは違った攻撃的な構築美で、90年代の正当派ヘヴィ・メタルを進化させた名作だ。
気合を注入したい方には最適の1枚になるはず。
1973年に発表されたピンク・フロイドの8枚目の作品「狂気(Dark Side of the Moon)」は、全米のアルバム・チャートに570週もランク・インし、ギネス記録にも認定された歴史に残るモンスター・アルバムである。
シド・バレッドの描いた初期のような芸術的なダーティ路線を継承しつつも、ロジャー・ウォーターズの構築美に終始圧倒されてしまう。
Yesとは少々異なり、人力とSEの合体と光り輝く楽曲の質が交錯し、聴き手の脳味噌を洗脳していく。
「静と動」という美的要素の中にラフなブルース・ソング「Money」で度肝を抜かれた。
遊び心の中にもメッセージが込められており、一風変わった叙情メローに鳥肌が立つ。
後のイーグルスなどの原形が本作には込められているような気がしてならない。
80年代のニュー・ロマンティクスの要素も意外と備わっている。
ロックに留まらず、70年代の最高傑作の一つだと思う。